非破壊検査は対象物に接触をすることなく、検査することができるので、市民生活を支える重要なインフラなどのメンテナンスに用いられています。橋梁の場合は、まず最初に目視による検査が行われますが、部品の劣化や内部のひびなどに関しては、表面を見ただけでは全くわからないので、目視に加えて、赤外線や超音波を用いて内部の状態を計測します。超音波の場合は、計測結果がモニタ画面にカラーで表示されるので、今まで職人の技術に頼らなければわからなかった内部のキズや劣化が一目瞭然でわかるようになりました。またドローンを用いることで、下からでは確認できない部分を様々な角度から見ることができます。

また角度を測定することで、橋梁のひずみをいち早く発見することができるので、事故を未然に防ぐ役割もあります。近年の異常気象により、各地で洪水などの水害が起きていますが、適切なメンテナンスを行い、強度を維持できていれば、強い衝撃にも耐えられるので、災害による被害を最小限にすることができます。非破壊検査は、工業製品の検査から原子力発電所のような大きな建物まで幅広く利用されています。企業の信頼性を高める意味でも非破壊検査は社会に貢献しています。

原子力発電所に関しては、寿命は過ぎているので、本来ならば建替えの時期が迫っていますが、非破壊検査による測定を定期的に行い、必要な部分だけを補修することで、より長い期間、稼働させることを可能にしました。

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