あまり聞き慣れないという人も多いかもしれませんが、研究機関などで使われるもので検査治具というものがあります。厳密に名前の定義が決まっているものではないですが、およそ自社の研究において使われる治具で、自社でしか使われないものです。例えばICカードの読み取り機械を作っていたとして、アンテナをどのくらいの大きさにすればどのくらいの距離まで感知出来るか計測するとします。アンテナに定規を取り付けて、感知する領域をすぐ計測出来る検査治具を使うとして、そのアンテナや読み取り機械はその会社で作っている専用のものなので他社では使い道がないのです。

自社以外で使えないのに、自社では便利に使っている、それが検査治具と言えるでしょう。エンドユーザーに売るものではないので、センサーがむき出しになっていたりメモリが読みにくかったりと、そこにいる人が使えればいいという状況になっている事が多いです。そして、そのチェックが終わればもう使い道がなく、二度と使われないかもしれません。もちろん汎用性のあるものもありますが、そういったものに限ってさらに特化した検査治具を作れば、そちらの方が使いやすかったりする場合もあるので決め付けずに効率を求めるべきでしょう。

多くの会社で使われている割りに知られていないのは、どの会社も外に見せるものではないですし、そもそも商品ですらないからです。商品の試作ならともかく、商品の試作に使った治具は自社内で保管するしかないのです。

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